東京六大学野球2015秋季リーグは残すところあとわずか。今週は法政、明治、立教、東大が今年の最終カードを迎えた。優勝の条件についてはこちらから。
立教−東大
1回戦
●東大0−5立教○
勝利投手:沢田圭佑 敗戦投手:宮台
本塁打:立教−笠松4号2ラン、田中和基4号3ラン
立教はエースの沢田圭佑投手、東大はここまで防御率0点台で負けなしの宮台投手の投げ合いで始まった。投手戦が予想されたが、初回立教の笠松が4号2ランを放ち、2点先制。東大のエース宮台投手をいきなり攻め立てた。一方東大はエース沢田圭佑投手の前になかなかチャンスを作れない。宮台投手はフォアボールやヒットでチャンスを与えるも、要所を抑える投球。だが、5回に田中和基選手の3ランを浴び、大きな追加点を与えてしまう。立教は沢田ー黒萩ー田村のリレーで東大打線を4安打に抑え完封勝ち。宮台投手は今シーズン初の黒星となった。
2回戦
○立教6−3東大●
勝利投手:黒萩 敗戦投手:辰亥
本塁打:立教ー佐藤竜彦2号ソロ、飯迫1号ソロ
前日は完封負けをした東大が初回から立教を攻める。4番の楠田選手のタイムリー3ベースで2点を先制し、流れを呼びこむ。東大の流れかと思われた直後の回、佐藤竜彦、飯迫の2者連続ホームランで瞬く間に立教が試合を振り出しに戻す。だが、東大は4回に途中登板した4年生白砂がタイムリーを放ち1点勝ち越す。しかし立教も4年生が意地を見せる。6回、主将の鈴木選手のタイムリーで同点、さらに酒井田選手のタイムリーで逆転する。何とか追いつきたい東大だったが、7回に2度のエラーで2点を献上してしまい自ら点差を広げてしまう。立教3番手黒萩、4番手小林昌樹の前にヒットが出ず試合終了。重要なところで痛いミスが出た。立教はこれで4位を確定させた。
回顧
春5位の立教と6位東大のカード。
立教は初戦での勢いそのままに2連勝した。完封リレーで勝利した1回戦では東大にほとんど隙を与えず、完勝といえる内容。12安打しながらもホームラン2本のみが得点というのはもったいなかったが、それでも立教の意地を見せつけた試合を展開した。今シーズンは思うような展開にならなかった試合も多かったが、この2戦でホームランを放って得点に絡んだ3年生以下の選手たちの活躍は来年に向けていい材料となったはず。
東大は2季連続の勝利に続き、勝ち点も…というところだったが惜しくも叶わず、勝ち点は来年に持ち越しとなった。1回戦では宮台投手がついに敗北を喫してしまったが1発のみの失点とタイムリーを許さなかったことは好材料。シーズン後半で疲れもあったはずだが、完投してみせたことは来年に生きるはず。4年生、主将の飯田選手はチームトップの打率を誇り主将としてチームを数字の上でも牽引した。スタメンの多くが3年生以下ということもあり、来年こそは勝ち点奪取に期待。
法政ー明治
1回戦
●法政1−4明治○
勝利投手:柳 敗戦投手:菅野
このカードで2勝すれば自力優勝となる明治が初回、法政の1年生菅野投手を攻める。満塁のチャンスで今シーズン初スタメンとなった上西選手が走者一掃のタイムリーを放ちいきなり3点を先制する。負ければ5位の可能性もある法政も負けじと3回に川口のタイムリーで1点を返す。だが明治は5回、犠牲フライで1点を追加し法政に反撃のムードを作らせない。明治の先発柳は8回0/3、129球の熱投を見せ、法政に勝利。優勝に王手をかけた。
2回戦
●明治2−8法政○
勝利投手:玉熊 敗戦投手:上原
先日のドラフトで日ハムの1位となった上原投手で優勝と行きたい明治。しかし、法政が上原投手を初回から攻め立てる。柴田選手がチャンスの場面で2点タイムリーで先制する。優勝に王手をかけた明治は3回表に佐野恵太選手のタイムリーで同点に追いつく。だが、その裏、柴田選手の2打席連続のタイムリー、さらに森川、大西千洋選手のタイムリーで5点を追加。上原投手を降板させる。法政:玉熊投手は4回以降得点を許さず、7回裏に代打の金子凌也選手のタイムリーでダメ押し。後を継いだ熊谷投手も明大打線を抑え法政が13安打8得点で昨日の借りを返した。
3回戦
○法政2−1明治●
勝利投手:熊谷 敗戦投手:柳
1勝1敗のタイで迎えた3回戦。明治は優勝のために何としても勝ちたいところだったが、先制点は法政。明治先発の齊藤投手が押し出しで1点を献上する。明治はなかなかチャンスを作れなかったが、法政2番手菅野投手から犠牲フライで1点を奪い同点に追いつく。その後両チームはチャンスを作るも、前日から連投の法政3番手:熊谷投手、明治2番手:柳投手が粘りの投球を見せて無得点で延長戦に突入。延長戦でも一進一退の攻防で無得点で進む。だが13回表、チャンスを作った法政が、清水雄二選手のスクイズで大きな1点をもぎ取る。それが決勝点となり法政が勝利。明治はあと1歩及ばず優勝は次週の結果に委ねられることになった。
回顧
春2位法政と4位明治のカード。
法政は初戦こそ1得点で敗北したが、2回戦では法政らしさを見せて大勝、その勢いで3戦目も勝利と逆転で勝ち点を取った。立教が2勝0敗で4位となり、5位が確定してしまった3回戦でも、4年生の主将;畔上選手が4安打したように、最後まで諦めず勝利を掴み取った。畔上選手は今シーズン14試合連続のヒットを放ち、キャリアハイの成績を残した。最終戦で見せたような粘りはきっと来年に活きてくるはず。今シーズンは打ち負けることが多かった印象もあるため、投手陣の安定がカギとなる。
明治はあと1勝、あと1点というところで惜しくも自力優勝を逃した。1回戦はこれまでの明治らしい堅実な試合を展開し勝利したが、2・3回戦は法政の投手陣の前にあと一本が出なかった。チームトップの安打を放っていた高山俊選手を欠いた影響は少なからずあった。ただ、次週早稲田ー慶応戦の試合結果によってはまだ優勝の可能性は残している。勝ち点を落としてはしまったが、1回戦・3回戦で登板した柳投手の投球はチームに活力を与えたはず。1回戦で8回0/3を129球、3回戦では途中登板ながら10回を154球とまさに熱投を見せた。特に奪三振は今シーズン73とダントツの数字を残しただけに来年も期待。明治も法政と同じく若いメンバーが揃っているが、2年生からスタメンマスクを被っていた坂本誠志郎選手、通算最多安打記録を立てた高山俊選手が抜ける分の穴をいかにカバーするかがカギとなるはず。
大記録達成!
・明治:菅野剛士選手は対法政3回戦で2塁打を放ち、通算28本目の2塁打としました。これは平成7年に高木大成(慶応)選手が達成した記録=27本を抜き最多記録。20年ぶりの快挙となりました。
優勝争いは4シーズン連続で最終戦の早稲田−慶応戦に持ち越されました。果たして優勝するのはどのチームか。最後の最後までお見逃しなく!
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